大正製薬株式会社は、長年研究を行っているタウリンと、必須アミノ酸※1 5種(L-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン)の組み合わせが、神経細胞でのエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸※2)量を増加させることを明らかとしました。神経細胞でATP量を増加させることは、疲労回復のための有効な手段であり、タウリンと必須アミノ酸5種の組み合わせが疲労回復に効果を発揮することが期待されます。本研究成果は、2023年3月14日~17日に開催された日本農芸化学会2023年度大会にて発表しました。
研究成果1:神経細胞における細胞内ATP産生促進作用
脳を構成する神経細胞に対して、タウリンと必須アミノ酸5種の組み合わせが与える効果について検証しました。その結果、タウリンと必須アミノ酸5種により細胞内のエネルギー量(細胞内ATP量)が増加することを見出しました(図1)。

研究成果2:神経細胞におけるATP産生関連因子の発現量増加作用
次に細胞内ATP産生のメカニズムを解明するために、ATP産生関連因子の遺伝子発現量に対するタウリンと必須アミノ酸5種が与える効果について評価しました。その結果、ATP産生関連因子であるNDUFS1、COX4I1、ATP5F1A、CSの遺伝子発現量が、タウリンと必須アミノ酸5種の組み合わせによって増加しました(図2)。

本研究では、タウリンと必須アミノ酸5種が細胞内ATP量を増加させることを見出しました。
※1 たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、ヒトや動物が体内で作ることができず、食事からの摂取が必要なもので細胞内のエネルギー産生の材料となっている物質
※2 全ての細胞が活動する上で必要となる物質。ATP: Adenosine TriPhosphate