一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパンは、日本の工芸を海外に向けて発信するにあたり、より的確にその魅力を伝えることができる英訳のノウハウとして構築した「工芸英訳ガイドライン」シリーズの冊子を7月28日に発刊いたします。
日本文化の魅力の神髄を伝えるために
伝わりやすい英訳のために必要な諸問題を系統立てて考え、実践的に役立つよう構築したのが「工芸英訳ガイドライン」シリーズです。第一弾「やきもの、漆、石川県の工芸品を中心に」、第二弾「心構え・基礎編」、特別編「加賀象嵌」は、Webサイト上で無料ダウンロードが可能なPDF版として一般公開していました。
このたび多くの方の要望に応え、より読みやすい印刷版としてA5サイズの冊子を発刊することとなりました。
[対象者]
・工芸に関わる人
─ 美術館・博物館や伝統産業工芸館などの文化施設、工芸分野の販売
・ビジネス、観光に携わる人、工芸のつくり手
・日本の工芸品の英語化に携わる人
─ 多言語化担当者、翻訳者、通訳・ガイドなど ※英語能力のある人
・日本の工芸に興味・関心のある英語圏の日本語話者
・日本語と英文を併記する、カタログ、ガイドブック、チラシ、Webサイトのデザイン・レイアウトを実際に行うデザイナー。その内容をチェックする担当者、編集者
A5冊子版の発行
工芸の翻訳の問題を多角的に示し、解決への糸口を示したA5サイズの冊子版の販売を開始します。ハンディなA5サイズの印刷版は1冊2,000円です。
なお、PDF版はすべてザ・クリエイション・オブ・ジャパンのサイト内で無料ダウンロード可能です。
工芸産地はもちろん、産業・美術関係者、文化財関係の多言語化の従事者や通訳ガイドのかたには、ぜひ印刷版をお勧めします。
購入ご希望のかたは、ご希望の冊子名・お名前・送付先・メールアドレス(またはお電話)を明記のうえ、下記宛てにメールにてお申込みください。郵送にてお届けいたします。
Mail: info@takagamine.jp
それぞれのポイント
第一弾「やきもの、漆、石川県の工芸品を中心に」:“問題点を知る”=公的な文献やWebサイトなどで見られるバラバラな訳語を例示します。よく用いられる英訳語でも英語話者にとっては「伝わりにくい」あるいは「適切とは言えない」ものもあることなど、この問題への考え方を提示しています。巻末には要注意訳語リストを収録。
第二弾「心構え・基礎編」
“海外の反応がわかる”=どの言葉が通じているのか、いないのか。工芸分野の言葉を英訳する際に生まれる問題を検証。英語話者からの視点を交えながら、大文字小文字、ハイフンなど最低限の英語表記ルールの基礎を整理しました。日本の工芸を紹介していく際に必要な、基本的な言葉(工芸品名など)を収録。
特別編「加賀象嵌」
“分野別対訳表のロールモデル”=金工の一つ、加賀象嵌を表現するための用語の推薦訳語となる英語表現、実践的な対象訳語表を収録。制作工程を日英バイリンガルで説明するなど、金工象嵌そのものの理解を深める内容です。地域や世代によっても異なる工程や日本語での用語の定義づけを、作家・職人からの聞き取り調査により行いました。金沢市との共同編纂です。
本書をロールモデルとして、今後、「やきもの」「きもの/染織」編などの協力者を募集しています。