革新的なイメージング技術で藍藻バイオフィルムの秘密に迫る

この研究は、光合成微生物が形成する細胞集団、すなわち藍藻バイオフィルムの分子構造を、新しい超解像赤外分光イメージング技術を用いて明らかにしました。これまでの技術では、分子を標識する必要があり、それがバイオフィルムの自然な構造に影響を及ぼしていました。しかし、今回の研究では、標識せずにバイオフィルムの構造を高解像度で観察することに成功し、藍藻バイオフィルムの成分とその空間的配置を詳細に解析しました。

バイオフィルム研究に新たな地平を開く

この研究成果は、藍藻バイオフィルムの理解を深めるだけでなく、その形成メカニズムや機能に関する新たな知見を提供します。バイオフィルムは微生物学や環境科学のみならず、感染症や歯科治療など様々な分野に影響を及ぼすため、この成果は広範な応用が期待されます。また、他の微生物バイオフィルムの研究にもこの技術が応用されることで、その構造と組成の理解が進むことが期待されます。


この研究は、徳島大学と東京工科大学による共同研究であり、藍藻バイオフィルムの分子組成を非標識で可視化することに世界で初めて成功しました。この技術により、バイオフィルムの構造と機能の理解が進み、微生物学や環境科学、医療分野において新たな応用が期待されます。研究結果の詳細は、2023年11月10日公開の「Analyst」誌に掲載される予定です。


参考URL
徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所: https://www.pled.tokushima-u.ac.jp/
東京工科大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所: http://www.res.titech.ac.jp/~biores/