介護保険施設の整備計画、政令指定都市では達成率95%に。保険外施設を含めると供給過多の兆し

株式会社TRデータテクノロジーは、令和6年度の介護保険制度改正を前に、政令指定都市を対象にした介護施設の整備状況を分析しました。その結果、介護保険施設の整備計画達成率は95%であることが明らかになりましたが、保険外施設を含めた場合の整備率は126%に達し、供給過多の兆しが見られます。

分析結果概要:

  1. 介護保険施設の整備計画達成率は95%、一部の自治体では90%以上の高い達成率を示しています。
  2. 保険外施設の整備率は31%であり、介護保険施設の整備目標数を基にした場合の全体の整備率は平均126%に。
  3. 保険外施設の入居者数は約10.3万人で、そのうち要介護度3以上は約48%にのぼり、特別養護老人ホームの入居対象者が保険外施設に流入している状況が明らかに。

介護保険施設整備計画の高い達成率とその影響

政令指定都市における介護保険施設の整備計画達成率は95%と高く、多くの自治体で計画通りに施設の整備が進んでいます。しかし、この高い達成率の背後には、保険外施設の増加による供給過多の問題が潜んでおり、介護サービス市場のバランスに影響を与えている可能性があります。

保険外施設の増加と介護サービスへの影響

保険外施設の整備率は31%となり、介護保険施設の整備目標数を超える供給が確認されました。特に要介護度3以上の入居者が保険外施設に多く見られることは、介護保険施設へのアクセスや選択肢に影響を与える可能性があり、市場全体の健全な発展に向けた課題を示唆しています。

介護保険施設の整備計画達成率が高い一方で、保険外施設の増加による供給過多は、今後の介護市場における重要な課題となります。市場のバランスを考慮した介護施設の整備、及びサービスの提供体制の見直しが求められる時期に来ていることが明らかになりました。今後は、介護保険制度の改正に伴い、市場全体の健全な発展と利用者の利便性向上を目指した政策や取り組みが重要となります。

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