新しい強誘電体の開発に向けて:高圧合成とマテリアルズ・インフォマティクスの協同

芝浦工業大学およびその共同研究機関は、新たなペロブスカイト型化合物の合成に成功し、強誘電体および圧電体の新たな設計指針を提供する研究成果を発表しました。

研究概要

  • 研究チーム:芝浦工業大学、一般財団法人ファインセラミックスセンター、東北大学、学習院大学、東京大学
  • 掲載誌:Dalton Transactions
  • 論文タイトル:Crystal structure and properties of perovskite-type rubidium niobate, a high-pressure phase of RbNbO3
  • DOI:10.1039/d4dt00190g


研究の動機

ペロブスカイト型化合物は、「機能の宝庫」と称されるほど多様な物性を持ち、これまでに多くの応用が試みられています。しかし、高性能な新しい材料の開発には、既存の材料の限界を超える新しいアプローチが必要です。

背景

現在の主流であるチタン酸バリウムを使用したコンデンサーは、120℃以上で性能が低下するという問題があります。この課題を解決するため、芝浦工業大学の研究チームは高圧合成技術を用いた新しい合成方法を開発しました。

研究成果と展望

研究チームは、通常では導入が困難なルビジウム金属イオンをペロブスカイト型化合物に取り込む新技術を確立しました。これにより、ニオブ酸ルビジウムの合成が可能となり、その強誘電性や誘電特性が明らかにされました。

展望

この技術はさらに大きなイオンであるセシウムの取り込みにも応用可能です。マテリアルズ・インフォマティクスとの組み合わせにより、新しい物質の設計と開発が加速されることが期待されます。

まとめ

この研究は、高圧合成とマテリアルズ・インフォマティクスの協同により、新しいペロブスカイト型化合物の開発を実現しました。これにより、高性能なコンデンサーやその他の電子デバイスの材料としての応用が期待されます。

関連リンク

関連記事