株式会社森の環、紫外線照射でビタミンD生成したハナビラタケを開発 日本初の「食べるビタミンD」商品の発売を目指す

菌床きのこの生産・販売を行う株式会社森の環(本社:富山県高岡市、代表取締役:春日勝芳)は、紫外線をハナビラタケに照射してビタミンDを生成する栽培および方法について、特許申請を行いました(特許申請者:株式会社NEOVAS、特許出願番号:特願2024-73824)。ハナビラタケに紫外線を照射してビタミンDを生成させる技術は、日本初の試みです。

ハナビラタケのビタミンD生成

ハナビラタケは生のままではビタミンDが含まれていませんが、天日干しすることでビタミンDを多く含むことが知られています。株式会社森の環は、人工的に紫外線を照射することで、ハナビラタケ100gあたり700マイクログラムを超えるビタミンDを生成することに成功しました。これは、日本国内の主要な食品の中でも突出したビタミンD量です。

食品からのビタミンD摂取を後押し

ビタミンDはカルシウムや骨の代謝、免疫力の向上など多岐にわたる効果が知られており、日本人の多くがビタミンD不足とされています。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、ビタミンDの1日の摂取目安量は18歳以上の男女ともに8.5マイクログラムで、耐用上限量は100マイクログラムと設定されています。株式会社森の環は、紫外線照射時間や1パッケージあたりの内容量を調整し、1食で1日のビタミンDを摂取できる商品を開発しています。

新商品の展開

今後、ビタミンDが生成された生ハナビラタケの限定商品「DDはなびら」や、レンジで30秒加熱するだけで手軽に食べられる「サラダきのこ」を2024年7月に発売予定です。また、1食で1日分のビタミンDが摂取できるみそ汁やスープなどのフリーズドライ商品のラインナップも強化していきます。

ハナビラタケの豆知識

自生地: 初秋の標高1,000m超の高山地帯のカラマツ等針葉樹の株元に自生する「幻のきのこ」
ビタミンD生成: 生のままではビタミンD含有量は0だが、日光(紫外線)を浴びることで生成
栄養素: 食物繊維やビタミン、ミネラル、βグルカン、ハナビラタケリドなど多くの栄養素を含む

ハナビラタケ誕生秘話と6次産業化への取り組み

当社はしいたけの生産販売からスタートし、キクラゲやハナビラタケの生産に挑戦してきました。コロナ禍の中、免疫力を高めるきのことしてハナビラタケに再挑戦し、日本一の生産高を達成しました。現在は、ヤマブシタケの生産にも取り組んでいます。

新しい6次化産業への取り組み

ハナビラタケの量産化に加え、認知度の低さを克服するため、地元富山県の特産品とのコラボレーションや加工品の開発を進めています。商品企画・開発は自社で行い、製造は専業メーカーに委託し、販売は自社ECや卸で行う、新しい6次産業化に取り組んでいます。

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