モバイル・ワイヤレスをはじめとしたICT技術の総合的調査を行う株式会社サイバー創研(本社:東京都港区、代表取締役:佐藤博彦)は、3GPPの5G標準必須特許(5G-SEP)の宣言状況、5G-SEPの規格整合率や5G実現特許などの5G標準化活動状況について、企業や技術・サービスに注目して調査・分析を行っています。今回、第6版の調査報告では、5G-SEP推定保有数、5G-SEP宣言特許、5G実現特許、5G標準化寄書の4種について直近状況の調査・分析を行いました。
イベント概要
5Gは無線機能の実装技術へシフト- 5G-SEPの推定保有数: 2万件
- 5G実現特許: 8万件超(昨年度調査の1.3倍)
- 5G-SEP宣言特許: TS38系への宣言特許が約9,000件増加
- 注目技術: NTN(非地上系ネットワーク)、AI/ML(人工知能/機械学習)、XR(クロス・リアリティ)、MEC(マルチアクセス・エッジコンピューティング)
5Gの無線基盤の安定化と実装技術への移行
5Gの無線基盤の標準化関連では、5G-SEPの推定保有数が2万件となり、標準必須整合性の評価対象である5G-SEP宣言特許はTS38系(5G-RAN)への宣言特許が昨年度より約9,000件増えました。また、1,000件以上のSEP宣言特許がある規格が前回より4規格増加し、19規格に達しています。これらの動きから、5Gの標準化はほぼ安定しており、特許出願はシステムを実現する実装特許に移行してきたと見て取れます。6Gアーキテクチャへの期待と新たな技術動向
5Gの新たな技術課題として、NTN、AI/ML、XR、MECなどの技術が注目されています。これらの技術は、ネットワークトラフィックに大きな変化をもたらし、ネットワーク構成に改善を必要とする可能性があります。また、5G標準化寄書の調査では、Rel-18ではAI/ML、Sidelink、NTNなどへの寄書提案が積極的に行われており、Rel-19では省電力を支援する無線ネットワークの標準化目標が提案されています。5Gから6Gへの技術移行の兆し
5G標準化の動向と特許出願の分析から、5Gの無線基盤は安定期に入り、特許出願は実装技術へとシフトしていることが明らかになりました。また、新たな技術としてNTN、AI/ML、XR、MECなどが台頭しており、6Gアーキテクチャへの移行が期待されています。株式会社サイバー創研の調査報告は、5Gから6Gへの技術開発の予兆を示しており、今後の動向に注目が集まります。関連リンク
- 調査報告書の目次構成: https://www.cybersoken.com/topics/mokuji2024/
- 株式会社サイバー創研: https://www.cybersoken.com
- ETSIのSEP一覧リスト: https://www.etsi.org/deliver/etsi_sr/000300_000399/000314/02.31.01_60/
- 3GPPの規格検討会合: https://www.3gpp.org/specifications-groups/specifications-groups