くるみがアルツハイマー病予防に貢献する可能性 - 新たな医学研究が示す

医学専門誌に掲載された最新の研究によると、オメガ3脂肪酸を豊富に含むくるみの摂取が、アルツハイマー病予防の働きを持つ可能性が提唱されています。

研究の概要

具体的には、今回の研究では、くるみを含む植物由来のオメガ3脂肪酸「α-リノレン酸(ALA)」が、脳の主要な領域におけるグルコースの取り込みを高める影響を持つことが解明されました。この結果は、アルツハイマー病の進行が抑制される可能性を示しています。
試験対象は、認知機能低下の兆しがないが遺伝的にアルツハイマー病のリスクが高いとされる320名でした。そのうち、249名が最終的な解析対象となりました。

アルツハイマー病及び認知症との闘い

現在、認知症やアルツハイマー病は、全世界的に社会的な悩みとなっています。日本においても、都市部では高齢者の約15%が認知症と推計され、その中でもアルツハイマー型認知症の割合が最も高く、67.6%を占めると推計されています。
他方、スペインでも10人に1人が認知症を発症し、そのうち60~70%がアルツハイマー病であると報告されています。

くるみの特徴

くるみには、「α-リノレン酸(ALA)」という、体内では生成されず食事から摂取する必要があるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸(ALA)は、脂肪とは言え、身体にとっては良質な脂肪であり、摂取が推奨されています。厚生労働省の食事摂取基準では、18~29歳の男性で1日あたり2g以上、女性で1.6g以上の摂取が推奨されていますが、30gのくるみには2.7gものオメガ3脂肪酸が含まれています。

まとめ

くるみや他のオメガ3脂肪酸を豊富に含む食品を積極的に摂取することが、アルツハイマー病予防に有効である可能性が示されました。この知見は、健康維持や疾患予防において、食生活がいかに大切であるかを改めて示しています。特に、若い人から摂取を始めることで、健康長寿に貢献する可能性が期待されます。

関連記事