イントラセンス社とゲルベ社は、膵臓領域の読影を支援するAIソフトウェア「DUOnco(TM) Pancreas」が、日本において医療機器認証を取得したことを発表しました。
日本初、膵臓に特化したAIソフトウェア
フランスのイントラセンス社と、医用画像ソリューション分野の世界的リーダーであるゲルベ社は、膵臓領域の読影を支援するAIソフトウェア「DUOnco(TM) Pancreas」が、日本において医療機器認証(認証番号:308AGBZI00003000)を取得したことを発表しました。これにより、「DUOnco(TM) Pancreas」は日本で初めて認証された膵臓に特化したAIソフトウェアとなります。
膵臓がんの早期発見における課題とAIの可能性
膵臓がんは世界的に最も致死率の高いがんの一つであり、日本においても極めて重要な医療課題です。早期発見が唯一の根治的治療法となり得ますが、早期の膵臓がんは特異的な症状が少なく、CT画像上での識別が困難なため、多くの患者は進行後に診断されています。先行研究では、2cm未満の膵臓がんの42%がCT検査で見逃されていたことが報告されており、微細な所見をより早期に検出する支援ツールの必要性が示されています。最近の研究では、膵臓がんに特徴的なCT所見が、診断の最大36か月前から確認可能であることが示唆されており、より早期診断の可能性が示されています。
放射線科医を支援するAIソフトウェア
「DUOnco(TM) Pancreas」は、造影CT検査における膵臓領域の評価を支援するために設計された、AIベースの画像解析ソフトウェアです。膵臓内の関心領域の検出や、主膵管最大径の計測を支援することを目的としています。このソフトウェアは、放射線科医の日常的な読影ワークフローを支援することを目的としており、自動診断システムではなく、医師による確認、解釈、診断を代行または置き換えるものではありません。
既存の読影環境へのシームレスな統合と臨床研究
日本において、イントラセンス社とゲルベ社は、PACSベンダーをはじめとする画像診断ITの国内パートナーと緊密に連携し、「DUOnco(TM) Pancreas」を放射線科医の既存の読影環境に最大限シームレスに統合することを目指しています。この戦略により、放射線科医が日常的に使用しているビューアやワークフロー内でソフトウェアへアクセス可能とし、業務の中断を最小限に抑えながら、臨床現場での円滑な導入を促進します。今回の日本での認証取得は、両社が日本および欧州で進めている、膵臓特化型AIの臨床的有用性を検証する広範な研究活動の一環です。2025年4月には九州大学病院との共同研究の実施を発表しており、日本人症例を中心とした大規模データセットおよび早期膵臓がん症例を用いて、「DUOnco(TM) Pancreas」の性能評価を行いました。
国際展開における重要な一歩
「DUOnco(TM) Pancreas」の日本における認証取得は、イントラセンス社とゲルベ社が共同開発した「DUOnco(TM)」ロードマップにおける重要なマイルストーンであり、2025年の欧州でのCEマーク取得に続くものです。さらに、本製品は2025年に米国FDAより「ブレークスルーデバイス指定」を受けており(なお、これは販売承認を意味するものではありません)、医用画像分野における世界的な未充足ニーズに対応する可能性が評価されています。イントラセンス社CEOのステフェン・アルマン氏は、「私たちの目標の一つは、現地パートナーと緊密に連携し、日本の放射線科医にとって最も使いやすい形でソフトウェアをエコシステムに統合することです。」と述べています。ゲルベ社の研究・開発・イノベーション・AI担当上級副社長フランソワ・ニコラ氏は、「DUOnco(TM)は日本国内100以上の医療機関を対象とした広範なユーザー調査から得られた知見を基に、日本の放射線科医の期待に応えるよう設計されたソフトウェアです。」とコメントしています。
まとめ
「DUOnco(TM) Pancreas」の日本での医療機器認証取得は、膵臓がんの早期発見・診断支援において画期的な一歩であり、日本の医療現場におけるAI活用をさらに推進することが期待されます。