村上市でサケ陸上養殖、完全養殖実現へ向けた挑戦

岡山理科大学と新潟県村上市の共同研究により、好適環境水センターでサケ(シロザケ)の陸上養殖が開始され、世界初の完全養殖実現を目指しています。

概要

村上市は、岡山理科大学と協力し、サケの陸上養殖事業を進めています。この取り組みは、温暖化による魚種の生息域変化で個体数が減少しているサケの復活と、サケの町としての再興を目指すものです。

稚魚の受け入れ:2,500匹
現在の状況:平均体重23g、体長13cmに成長し、35㌧水槽で元気に泳ぐ
目標:発眼卵から親魚を育てて採卵し、さらに人工種苗を育てる「完全養殖」の実現
過去の実績:2015年に山本俊政准教授がシロザケ数十匹の陸上養殖に成功し、「トキシラズ」と呼ばれる良質なサケも確認されている

サケの町、村上市の現状と課題

平安時代から日本海側有数のサケの産地として知られる村上市ですが、近年、温暖化の影響で魚種の生息域が変化し、北上してきたブリやサワラなどが放流した種苗を捕食するなどの影響で、川に戻ってくるサケの個体数が激減しています。国立研究開発法人水産研究・教育機構の調査によると、2025年のサケの単純回帰率は全国平均で0.66%、新潟県では0.06%まで落ち込んでおり、放流してもほとんど帰ってこない状況です。

陸上養殖によるサケの町再興への挑戦

このような状況下で、村上市は陸上養殖に活路を見出し、サケの町としての再興を岡山理科大学生物科学科の山本俊政准教授に託しました。村上市から好適環境水センターに届けられた稚魚は、体長8~9cm、5gほどに育った段階で7㌧水槽へ、さらに5月4日には平均体長13cmまで成長したのを受けて35㌧水槽へと移されました。この時点で2,080匹が生残し、元気に泳いでいます。1年で体重1kg、2年で1.5~3kgほどに成長すると見込まれています。

世界初の完全養殖実現への期待

この養殖事業でセンターが目指すのは、発眼卵から親魚を育てて採卵し、さらに人工種苗を育てることを続ける「完全養殖」の実現です。これが実現すれば、世界初の画期的な成果となります。山本准教授は、2015年にセンターでシロザケ数十匹の陸上養殖を手掛けた経験から、勝算は十分にあると見ています。当時、「トキシラズ」と呼ばれる良質なシロザケも確認されました。山本准教授は、「うちで完全養殖が成功すれば世界が変わります。陸上で持続的に育てていくことが可能になれば、世界の漁業に与えるインパクトは計り知れない」と語っています。

今後の展望

山本准教授は、今後の進め方について、「今回の養殖の成果を見極めながら、どんな形で“海からの脱却”が進められるのか、村上市側とも相談して方針を決めていきたい」と話しています。養殖は、山本准教授のほか、津村誠一・好適環境水センター招聘教授、技術員の齊藤華緒里さん、山内啓誠さんが担当しています。

まとめ

村上市と岡山理科大学は、サケの個体数減少という課題に対し、陸上での完全養殖という革新的なアプローチで挑んでいます。この挑戦が成功すれば、持続可能な水産業の実現に大きく貢献することが期待されます。

関連リンク

https://www.youtube.com/watch?v=KdrNLwNUJH8

https://www.ous.ac.jp/

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