
満栄工業とTAKANOHAが開発・展開するフェノール樹脂系活性炭「鷹の羽」シリーズが、国立大学法人愛媛大学 沿岸環境科学研究センターとの共同検証により、水中のPFOA(ペルフルオロオクタン酸)を高効率で除去できることが確認されました。
概要
満栄工業とTAKANOHAは、愛媛大学との共同検証により、開発・展開するフェノール樹脂系活性炭「鷹の羽」シリーズが水中のPFOAを高効率で除去できることを確認しました。本検証は、PFOAの除去技術への需要が高まる中、両社が持つ活性炭製造技術と細孔制御技術を基盤とした「鷹の羽」シリーズのPFAS吸着への適用可能性に着目して実施されました。- 検証主体: 満栄工業株式会社、株式会社TAKANOHA、国立大学法人愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
- 確認内容: フェノール樹脂系活性炭「鷹の羽」シリーズによる水中PFOAの高効率除去
- 振とう試験結果: 5 ppb以上の濃度域で振とう開始5分後に約99%の吸着率を達成
- PFOA保持能: 吸着後のPFOA脱離率は全条件で30%未満
- 比較試験結果: 市場流通の代表的な活性炭4種との比較において最高水準の吸着性能と高い再現性を確認
- 流通試験結果: 5 ppb以上の濃度域で90%以上の吸着率を達成
「鷹の羽」シリーズのPFOA吸着性能
本検証では、「鷹の羽」シリーズの「MOA-M1600」および「MOA-X1600」の2グレードが使用されました。フェノール樹脂を原料とする球状活性炭である「鷹の羽」シリーズは、製造プロセスで細孔径を0.4~2 nmの狭い範囲に制御することで、低分子量物質に対する選択吸着性と高い吸着速度の両立を実現しています。この細孔特性がPFAS分子サイズとも適合性が高い可能性に着目し、PFOA吸着への適用検証が行われました。実用化を見据え、回分式と流通式の2方式で評価が実施されました。振とう試験(回分式)では、PFOA濃度5 ppb以上の4段階において、振とう開始5分で約99%の吸着率に到達し、以降60分まで同水準を維持しました。1 ppbの低濃度域でも安定した高吸着率が確認されています。また、流通式(通液)試験では、5 ppb以上の濃度域で90%以上の吸着率を達成し、実装置運用への適用可能性が示唆されました。
既存活性炭との比較と「鷹の羽」シリーズの優位性
市場で広く流通している果殻系、石炭系、ヤシ系、ヤシ添着系の4種類の活性炭素材との比較試験も実施されました。その結果、「鷹の羽」シリーズは1~100 ppbの全濃度域において約99%という最高水準の吸着率を達成しました。これは、低濃度から高濃度まで安定した吸着性能を発揮できる点で、既存の活性炭素材とは異なる特性を有することを示しています。さらに、「鷹の羽」シリーズは、サンプル間の吸着率のバラつきが小さく、製品ロットとしての高い再現性が確認されました。これは、実装置への適用における処理性能の安定性に直結する重要な特性です。一方、石炭系活性炭では、振とう後に活性炭の粉体が水中に浮遊し、容器への付着・変色が確認されました。これは活性炭表面の摩耗による粒子の脆さに起因すると考えられ、吸着済みPFOAの再溶出につながる懸念も指摘されています。球状形態の「鷹の羽」シリーズでは粉化や容器汚染は確認されず、機械的耐久性の面でも優位性を示しました。
高いPFOA保持能による実用性
実用浄水処理においては、PFOAを吸着する性能だけでなく、捕捉したPFOAを離脱させずに保持し続ける能力が極めて重要です。「鷹の羽」シリーズのPFOA保持能を評価した結果、1~100 ppbの全濃度区・全振とう時間条件において脱離率は30%未満に留まりました。特に100 ppb条件下では脱離率が20%以下となり、吸着したPFOAの70~80%以上を安定的に保持し続けることが確認されました。この高い保持能は、長期運用における処理水質の安定化や、活性炭の交換頻度の最適化に貢献するものと期待されます。今後の展望と共同研究・実証パートナー募集
満栄工業とTAKANOHAは、今後「鷹の羽」シリーズを水中PFOA吸着用途として事業化を進めていきます。また、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)に対する吸着性能についても、引き続き愛媛大学との連携のもとで調査を進める予定です。PFAS除去に関する共同研究および実証試験に興味のある企業や研究機関を広く募集しており、浄水処理、地下水・土壌浄化、工業排水処理など、様々な用途での協業を歓迎しています。関連リンク
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