
こども家庭庁が推進する「令和7年度こどもデータ連携実証事業」において、データ連携とシステム・人による判断を組み合わせた支援プロセスの有効性が確認されたことが、大阪府豊中市からの成果報告により明らかになりました。
概要
大阪府豊中市が実施した「令和7年度こどもデータ連携実証事業」では、こども家庭庁の推進のもと、データ連携とシステムによる判定、人による判断を組み合わせた支援プロセスの有効性が確認されました。本実証事業は、こども連携プラットフォーム「こどもの杜」を活用し、分野横断で連携したデータを基に、虐待リスクがあり支援が必要なこどもの早期把握と予防的な支援につなげることを目的としています。
実証事業の概要
実施期間:2025年7月~2026年3月
連携データ:住民基本台帳、福祉、母子保健、教育分野など豊中市内の関係部署が保有するデータ
活用プラットフォーム:「こどもの杜」
分析主体:株式会社両備システムズ
実証事業の成果
本実証事業では、システムによる抽出と人による判断を組み合わせた支援プロセスが特徴です。「こどもの杜」システムは、豊中市独自のリスク分析モデルにより、「支援の優先度」と「該当する困難の類型」を判断します。連携データを基にリスクレベルが付与され、一定以上のリスクが想定されるこどもが抽出されました。抽出結果をもとに、児童福祉、母子保健、教育分野の専門職が参加する合同ケース会議が実施され、データだけでは判断できない状況を踏まえ、支援の必要性や方針が多角的に検討されました。これにより、これまで支援につながっていなかったこどもや家庭の状況が可視化され、必要な専門支援への接続や見守りにつながる事例が確認されました。また、既に支援中のケースについても、データの再確認によって支援方針の見直しが行われるなど、支援の質の向上に寄与しました。
AIによるリスク判定支援
本実証では、AIを活用してリスク項目の設定支援を行っている点が特徴です。AIが過去データをもとに統計的手法を用いて分析・抽出し、条件設定における職員の業務負荷を軽減しました。これにより、職員は支援対象者と向き合い、支援を行うことに、より注力できるようになります。
今後の展望
豊中市は、本実証で得られた知見を踏まえ、リスク判定に用いるデータ項目や評価方法の見直し、個人情報の適切な取扱いに関する整理を進め、より実態に即した支援判断につなげていく予定です。株式会社両備システムズは、今回の成果をもとに、自治体における分野横断的なデータ活用と、現場の判断を支える仕組みづくりを引き続き支援し、こどもや家庭に寄り添った支援の実現に貢献していきます。
豊中市 はぐくみセンター長兼こども安心課長 後藤 良輔氏コメント
虐待リスクと考えられるアラート項目を「こどもの杜」システムに設定することで、リスクが高く支援が届いていないこどもや家庭を抽出する仕組みができました。また、教育委員会の学校とのデータ連携により、生徒の出欠状況の把握や生徒がタブレットに入力した相談内容を確認することで心身の不調や希死念慮を抱えているこどもを早期発見できるようになりました。今後、リスク判定のデータ項目や評価方法の一部見直しを行い、支援が必要なこどもの早期把握と予防的な支援につなげる取り組みを進めていきます。
まとめ
「令和7年度こどもデータ連携実証事業」において、データ連携とシステム・人による判断を組み合わせた支援プロセスの有効性が確認され、AI活用による早期発見と予防支援への貢献が期待されます。