
鶏ムネ肉由来プラズマローゲンを活用した、犬の認知機能に関する世界初の臨床試験が、丸大食品株式会社によって2026年7月から実施されます。
ペットの高齢化に伴う認知機能の課題に挑む
丸大食品株式会社は、岡山理科大学および食品CROの株式会社EASと共同で、同社が開発した機能性素材「鶏ムネ肉由来プラズマローゲン」を用いたペットの認知機能維持に関する臨床試験を開始します。ヒト向けの研究では認知機能維持をサポートする素材として知られるプラズマローゲンですが、ペットを対象とした有効性検証は世界でも例がなく、今回の取り組みが世界初の臨床試験となります。※2026年4月6日時点:臨床試験登録データベース(UMIN、jRCT、ClinicalTrials.gov)などを検索しても、犬を対象としたプラズマローゲンの介入試験は登録されていませんでした。
臨床試験の概要と評価方法
本試験は、加齢に伴う行動変化が見られる犬を対象に、その有効性を検証する目的で行われます。試験デザインには、二重盲検・プラセボ対照・並行群間比較試験が採用されており、在宅訪問型で実施されます。
試験概要:
実施時期:2026年7月から開始
対象:認知機能が低下していると思われる犬10頭(介入群5頭・非介入群5頭)
試験品の摂取方法:ペットフードに混ぜて提供
試験期間:18週(12週で有意差確認出来ればその時点で終了)
評価尺度:犬の認知機能障害評価尺度(CCDR)
副次アウトカム:血液中のβアミロイド、Nad+、CRP測定
評価に用いるCCDR(Canine Cognitive Dysfunction Rating Scale)は、犬の認知機能を定量的に判定するための国際的な標準ツールです。飼い主が回答する13項目の質問を通じて、見当識障害や睡眠パターンの変化、不安行動などのスコア化を行い、認知機能の状態を客観的に評価します。
鶏ムネ肉由来プラズマローゲンの特徴
試験品である「鶏ムネ肉由来プラズマローゲン」は、丸大食品株式会社が特許を取得した機能性素材です。本素材はすでにヒトの臨床試験で安全性が確認されており、機能性表示食品にも採用されています。複数の物質特許(学習記憶能力増強剤、脳神経細胞新生剤、抗中枢神経系炎症剤、アルツハイマー病予防若しくは治療用組成物)や製造特許を取得しており、エキスタイプと粉末タイプの2種類が存在します。
研究体制と安全性への配慮
本試験は、岡山理科大学獣医学部の木村展之(獣医師)を代表責任研究者として進められます。また、試験内容は株式会社EASの動物臨床試験倫理審査委員会によって承認されており、高い安全性を担保した環境下で検証が行われます。
まとめ
丸大食品は、長年培った機能性素材の知見をペットの健康分野へ応用し、高齢化するペットの認知機能維持に対する新たな可能性を追求します。本試験を通じて得られる知見は、将来的なペットのQOL向上への貢献が期待されます。