
BMIが高い群ほど顔面の赤みスコアが高い傾向が、大阪・関西万博の来場者データを活用したAI解析により明らかになりました。
研究の背景と目的
近畿大学医学部や大阪大学大学院医学系研究科らの研究グループは、2025年に開催された大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」で取得された匿名化健康測定データを用いて、成人410,384人のBMIとAI判定による顔面の「赤みスコア」との関連を調査しました。肥満は全身性の炎症と関連することが知られていますが、大規模集団における顔面の赤みとの関連はこれまで十分に検討されていませんでした。
解析結果と今後の展望
解析の結果、BMIが高い群ほどAIが算出した顔面の赤みスコアが高い傾向が確認されました。具体的な割合は、BMI正常群で2.1%、肥満1度で6.5%、肥満2度以上で11.4%でした。年齢の影響を調整した解析では、BMI正常群と比較して、高い赤みスコアを示すオッズは肥満1度で約3倍、肥満2度以上では約6倍となっています。なお、男女別の解析では30〜59歳の女性において、より強い関連が認められました。
※本研究は横断研究であり、肥満が顔面の赤みを引き起こすことを示すものではありません。また、本研究結果は一時点のデータを解析したものであり、因果関係を示すものではありません。さらに、飲酒量、ALDH2遺伝子多型、化粧、肌の色調、紫外線曝露、薬剤、酒さなど、顔面の赤みに影響を及ぼす可能性のある要因について十分な調整は実施していません。加えて、赤みスコアは皮膚科医による紅斑の診断を示すものではなく、現時点で診断や健康判定に利用できるものではありません。
今後は皮膚科専門医による診察や標準化した撮影条件を組み合わせることで、臨床応用への検証が進められる予定です。
研究概要
対象人数:410,384人(女性250,318人、男性160,066人)
対象者の平均年齢:44.4歳
対象者の平均BMI:22.3
論文掲載誌:JAAD International
論文掲載日:2026年8月6日(暫定版)、2026年9月11日(最終版)
まとめ
大阪・関西万博のビッグデータをAIで解析した結果、BMIと顔面の赤みスコアに相関関係があることが示されました。今後は臨床現場での応用を見据えた詳細な検証が期待されます。
関連リンク
https://www.jaadinternational.org/article/S2666-3287%2826%2900143-4/fulltext
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2634-otsuka-atsushi.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/3183-fujii-kazuyasu.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2692-nakashima-chisa.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1203-yamada-hidekazu.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/823-morikawa-toshio.html
https://www.kindai.ac.jp/medicine/