桂川精螺製作所が挑む宇宙産業への道

桂川精螺製作所が、ドラマのロケ地となった縁をきっかけに、宇宙スタートアップ企業との共創を通じて宇宙産業分野での事業拡大に挑んでいます。

宇宙産業への参入と体制転換

1938年創業の桂川精螺製作所は、長年ねじやボルトなどの金属部品製造を主力としてきました。自動車やバイク関連の需要が9割を占める時期もありましたが、リーマンショックや東日本大震災などの経験を経て、特定業界への依存リスクを認識しました。これを機に2018年には大田区矢口の本社に研究棟を新設し、研究開発・試作と量産を分離する体制へと転換。多角化に向けた基盤を整えました。

スタートアップとの共創による開発

同社が宇宙産業に関心を抱いたのは、2015年に旧社屋がドラマ「下町ロケット」のロケ地となったことが転機です。2022年からは株式会社ダイモンが開発する月面探査機「YAOKI」の特殊ねじ製造や、月面重力再現機器の開発に貢献しました。また、株式会社cosmobloomの宇宙ごみ対策用「デオービット装置」開発では、本社併設の「工場アパート」を活用して試作や超薄膜の折り畳み作業を主導しました。なお、デオービット装置は2026年5月に納品し、同年秋に打ち上げられ宇宙空間で実証実験を行う計画です。さらに、株式会社SUIHO SPACE INNOVATIONSやAmateras Space株式会社とも連携し、小型ロケットエンジン部品の加工や宇宙服の生命維持装置開発にも取り組んでいます。

大田区から目指す未来

桂川精螺製作所は、スタートアップの熱意に応える形で職人の技術を宇宙分野へ応用しています。今後はアルテミス計画などの政策的追い風も捉え、単なる受託製造にとどまらず、自社主導の開発テーマを立ち上げ、宇宙関連事業の価値向上を目指す方針です。大田区は多様な製造業が集積する強みを生かし、宇宙産業をワンストップで支援できる地域としての発展が期待されています。

関連リンク

https://katsuragawa-seira.com/

https://www.ilsc.metro.tokyo.lg.jp/unv/index.html

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