
LRT1号線における省エネ化実証事業が、住友商事、阪急電鉄、Light Rail Manila Corporationの3社により開始されます。本事業は、電車から発生する未利用の回生電力を有効活用し、都市鉄道の電力消費削減を目指すものです。
実証事業の背景と目的
マニラ首都圏では深刻な交通渋滞が課題となっており、公共交通網の整備が進められています。一方で、フィリピンでは電力単価が高水準にあることから、都市鉄道における電力消費の削減が重要な経営課題です。本実証事業は、環境省の令和8年度から令和9年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業)※1」に採択されました。※1 二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業は、「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業)」のうち「設備補助事業※2」への応募を目指し、JCMパートナー国においてJCMプロジェクトとなった実績のない先進的な脱炭素技術を導入することで、脱炭素だけでなく他の環境課題・社会課題等を相乗的に解決する、JCM事業の案件形成を目的とした実証事業に対して、補助を行うものです。
※2 二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業では、優れた脱炭素技術等を活用し、JCMパートナー国における温室効果ガス(GHG)排出量を削減する脱炭素設備の導入事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。本事業はパートナー国における温室効果ガス(GHG)の排出を削減するとともに、JCMを通じて日本の温室効果ガス排出削減目標の達成に活用することを目的とします。
回生電力活用の仕組み
電車は減速時にモーターを介して電気エネルギーを生み出すことが可能ですが、再利用する車両が周囲にない場合には電力が余剰となり失われています。本実証事業では、以下の手法を組み合わせて回生電力の有効活用を図ります。・余剰となった回生電力を駅設備へ供給する装置の導入
・変電所における送出電圧の最適化
・車両制御ソフトウェアの改修
これにより、現在失われている回生電力の約半数を活用できる見込みです。削減によって確保した資金は、利用者の利便性向上へ再投資し、交通渋滞の緩和につなげる方針です。
各社の役割
住友商事は機器の提供およびプロジェクト全体の取りまとめを担います。阪急電鉄は、鉄道運営・保守の知見を活かして省エネルギー施策の導入および効果検証に関する技術支援を担当します。今後は本事業の成果をもとに、同様の課題を抱える東南アジア地域への展開も視野に入れています。まとめ
住友商事、阪急電鉄、Light Rail Manila Corporationは、マニラ首都圏のLRT1号線にて回生電力を駅設備などで活用する実証事業を開始し、環境負荷の低減と持続可能な都市交通の実現を目指します。関連リンク
https://www.hankyu.co.jp/https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/2026/10/95336f16adc4a2241bf1bac2c40af0a82fdeb4d6.pdf