損害保険会社による便宜供与適正化ガイドラインと通報制度が始動

日本損害保険協会が、「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン」の策定と通報窓口の設置を開始しました。これにより、過度の便宜供与への該当が疑われる事案の通報受付が可能になります。

便宜供与適正化ガイドラインとは

日本損害保険協会が策定した「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン」は、顧客本位の業務運営、健全な競争環境の実現、保険代理店の自立化を目的としています。ガイドラインでは、便宜供与の適正化により損害保険会社が目指すべき姿や、適正化にあたり遵守すべき法令等を明記しており、損害保険会社の役職員として便宜供与の適否判断のための基本的な考え方(判断の目安)を規定しています。また、「想定事例集」と題した参考資料も作成され、過度の便宜供与の該非判断の参考となる事例が示されています。詳細は以下のリンクからご覧いただけます。
損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン(本編):https://www.sonpo.or.jp/about/pdf/bengikyouyo_guideline.pdf
損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン(別冊)想定事例集:https://www.sonpo.or.jp/about/pdf/bengikyouyo_guideline_appendix.pdf

通報窓口について

上記ガイドライン以外にも、「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン」および「政策保有株式に係るガイドライン」に関連する過度の便宜供与への該当が疑われる事案を対象として、損害保険会社の役職員から通報を受け付ける体制を設けています。損害保険会社からの通報を受けた場合、当協会は相手方の損害保険会社に通報内容を通知し、その損害保険会社では通報内容に基づいて事実関係の確認を行い、適切な措置を講じることが求められます。また、本制度を通じて入手した情報(全体の傾向等)については、損害保険会社へ共有し、投稿窓口の運営やガイドラインの改定等に活かしていく計画です。

今後の展望

日本損害保険協会では、今後も上記通報制度を通して、便宜供与の適正化に向けた会員会社の取組状況を定期的にフォローアップしていきます。また、2026年度以降には、代理店業務品質評議会と本制度を一本化し、一般消費者や保険代理店を含め、業務品質について広く通報を受け付ける予定です。さらなる信頼回復に向けた取組みについては、こちらからご確認ください。https://www.sonpo.or.jp/news/shinrai/index.html

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