
MS&ADインターリスク総研株式会社が、激甚化する豪雨・洪水対策としてのグリーンインフラに関する住民意識調査の結果を発表しました。
概要
MS&ADインターリスク総研株式会社は、豪雨・洪水対策におけるグリーンインフラの普及・実装を加速させることを目的に、住民の意識と現状を把握するためのアンケート調査を実施しました。調査結果からは、流域治水の認知度やグリーンインフラへの協力意向と実際の実施状況との乖離、さらには普及に向けた住民のニーズが明らかになりました。
調査実施期間:2026年2月10日~2月16日
調査方法:インターネットでの回答
回答者数:1,500人(20~79歳の男女)
調査対象流域:多摩川流域、鶴見川流域、天竜川下流・菊川流域、緑川・白川流域
「流域治水」の認知度と住民の協力意向
調査によると、「流域治水」の認知度は全体で42.3%にとどまりましたが、緑川・白川流域(熊本県)では53.1%と高い結果を示しました。これは、同地域における水災害の実体験や伝聞が、住民の危機感や関心を高めているためと考えられます。しかし、「流域治水」で協力・参加したい項目はないと回答した人が48.9%に上り、水災害リスクを自分事として捉えられていない現状が浮き彫りになりました。
グリーンインフラへの協力意向と実施状況のギャップ
グリーンインフラへの協力意向は25.7%であるのに対し、実際の実施率は7.3%と、約3.5倍の差が見られました。このギャップは、グリーンインフラの具体的なリスク低減効果に関する情報不足や、地域コミュニティによる連携体制の必要性が要因として挙げられています。住民は、自宅の浸水がどの程度減るかといった具体的なデータや、デジタル技術を活用した情報提供を求めていることが分かりました。一方で、「流域治水」への理解度が高い層では、グリーンインフラの実行率が22.1%と高くなる傾向があり、知識が具体的な防災行動に結びつくことが示唆されました。
グリーンインフラ普及のための鍵と地域差
グリーンインフラの普及には、「具体的なリスク低減効果の情報」と「地域コミュニティによる連携体制」が重要であることが示されました。特に、実施率が高い層ほど地域コミュニティの連携体制を重視しており、自治体にはリソースサポートや費用補助といった直接的な支援が求められています。また、「治水のための協力関係」を実感している割合は全体で19.4%でしたが、都市部では2割を下回る地域もあり、地域間の協力関係の構築に差があることが明らかになりました。
まとめ
本調査は、グリーンインフラの普及には、住民への具体的な情報提供と地域コミュニティの連携強化が不可欠であることを示しました。特に、水災害リスクを自分事として捉え、具体的な防災行動につなげるための支援策が求められています。