
一般社団法人 日本損害保険協会が実施した「保険金不正請求に関する意識調査」により、保険金請求における一般消費者のモラル意識の現状が明らかになりました。
調査概要
一般社団法人 日本損害保険協会は、2026年2月に「保険金不正請求に関する意識調査」を実施しました。この調査は、保険金請求における一般消費者のモラル意識の現状を把握することを目的としており、「不正請求の許容度」や「不正請求の理解度」などが調査されました。また、「損害保険の理解度」や「不正請求を防止するために重要と思うこと」についても調査が行われ、今後の不正請求防止に向けた業界の取り組みの参考として活用されます。
調査期間: 2026年2月5日~8日
調査対象: 全国の16歳~69歳の男女(有効回答:2,535人)
調査方法: インターネットリサーチ
主な調査項目: 不正請求の許容度・理解度、損害保険の理解度、不正請求防止にあたって重要だと思うこと、保険金を受け取った際の気持ち、既存の啓発ポスターの評価
不正請求の許容度と理解度の低さ
調査の結果、「許されないと思う」という回答が最も多かったのは「保険金詐欺をするための保険加入」で約80%でした。しかし、「業者からの教唆による保険金請求」や「軽傷での休業補償」については、「許されないと思う」との回答が50%を下回り、保険金請求に関するモラル意識の低さがうかがえます。特に若年層では、「許されると思う」との回答割合が高く、前回調査と同様に、若年層の保険金請求に対するモラル意識の低さが顕著でした。
また、保険金詐欺に該当する「架空請求」「アフター・ロス契約」「関係者と結託した虚偽申告」「運転手のすり替え」などについて、「詐欺に該当する」と正しく回答した割合は、いずれも70%を下回りました。さらに、「業者からの教唆による保険金請求」や「軽傷での休業補償」に関する正答率は50%を下回り、消費者の自覚がないまま保険金を不正に請求してしまうリスクがあることが示唆されています。全体的に若年層の正答率が低く、保険金請求に関する理解不足がうかがえます。
損害保険の理解度と不正請求防止への期待
損害保険の理解度については、「告知義務、通知義務」に関する設問の正答率は70%を超えましたが、「保険料は積立金であるか」「保険金は契約額の全額が受け取れるか」といった設問の正答率は50%に満たない結果となりました。損害保険そのものに関する理解も十分に浸透していないことがうかがえ、特に若年層の理解不足が目立ちました。
不正請求防止のために保険会社に期待することとしては、「保険の仕組み・制度のわかりやすい周知」、「補償内容と保険金の支払基準の分かりやすい周知」、「不正請求にあたる内容の周知」を求める声が上位を占めました。
保険金を受け取った際の気持ちについては、「保険に入っていて良かったと思った」「手続きが迅速に進み、助かった」といったポジティブな回答が上位を占めましたが、保険金請求に関する当事者意識の低さなど、留意すべき観点も一定数見られました。
既存の啓発ポスターについては、「目を引く」「抑止力になる」という評価が70%を超え、一定の効果が期待できることが示されました。一方で、「保険金詐欺が犯罪に該当することを知って驚いたか」との設問では、「驚いた」との回答が「驚かない」を上回り、保険金詐欺が犯罪であるという認識が消費者に十分に浸透していない現状がうかがえました。
今後の取り組み
日本損害保険協会では、今回の調査結果を踏まえ、保険金不正請求の防止に向けて、若年層等を対象としたデジタル広告の展開や、啓発ポスターなどを活用し、より分かりやすく伝えるための啓発活動を一層推進していく方針です。
まとめ
本調査により、保険金請求における消費者のモラル意識や損害保険の理解度、特に若年層における課題が明らかになりました。協会は、これらの結果を基に、今後、より効果的な啓発活動を展開していく予定です。
関連リンク
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2026/pdf/fuseiseikyu.pdf