
Lovenseが、日本の若年層における親密さの形の変化と、バーチャルな存在への感情消費の拡大に関する調査・分析レポートを公開しました。
調査・分析の背景
近年、日本の若年層の間で、VTuber、二次元キャラクター、AIチャットボットといった「バーチャルな存在」に感情を寄せる傾向が強まっています。かつては一部の趣味と捉えられていたこれらの文化が、現代の若者にとって日常的な「親密さの一形態」として定着しつつある現状があります。この社会変化を踏まえ、Lovenseは若年層の親密さへの志向とバーチャル感情消費の実態について調査・分析を行い、インタラクティブエンターテインメント領域における新たなニーズを考察しました。主な調査・分析結果
調査・分析からは、若者の交際観の変化やバーチャル市場の急成長、AIキャラクターとの関係性に関する議論、そしてバーチャル体験における身体感覚の欠落といった課題が明らかになりました。若者の「交際離れ」が数字で明らかに:
国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年実施、2023年報告書公表)によると、18~34歳の未婚者における異性との交際率は男性21.1%、女性27.8%にとどまっています。さらに、未婚者の約3人に1人が「交際相手を欲しいと思わない」と回答しており、これは出会いの機会不足だけでなく、交際そのものを積極的に望まない人が増加していることを示唆しています。
バーチャルな存在への感情消費市場が急成長:
矢野経済研究所が2026年1月に発表した「オタク」市場調査によると、2024年度の主要17分野のうち15分野が成長を遂げています。特にVTuber市場は2024年度に1,050億円規模に達し、2025年度には1,260億円への拡大が見込まれています。推し活、投げ銭、バーチャル恋愛アプリなど、スクリーンの中の存在に向けられる感情消費は、すでに日本の若者文化に深く根付いています。
AIキャラクターとの「関係性」が社会的議論を呼ぶ:
2025年11月には、AIキャラクターと「結婚式」を挙げた事例がTBS NEWS DIG / RSK山陽放送で報じられ、AIとの関係性や親密さのあり方について広範な議論を呼びました。バーチャルな存在が「精神的な支え」として機能し始めている実態が、社会的に認識されつつあります。
バーチャル体験における「身体感覚の欠落」という課題:
バーチャルな存在は精神的な親密さを提供する一方で、物理的な接触がないという根本的な制約があります。ヒアリング調査では、この「精神的には近いが、物理的には隔てられている」状態に対する不満や物足りなさを感じるユーザーの声が多く聞かれました。この課題は、近年「ハプティックシンク(触覚同期)技術」への注目度が高まる背景の一つとなっています。この技術は、コンテンツの動きや感情変化に合わせた物理的フィードバックを返すもので、インタラクティブエンターテインメント領域での応用が進んでいます。
Lovenseの取り組み
Lovenseは、バーチャル体験と身体感覚を繋ぐインタラクティブエコシステムの構築に取り組んでいます。主な取り組みとして、約50本の対応タイトルでゲーム内イベントやキャラクターの動きとリアルタイムに同期するインタラクション体験の提供、コンテンツのテンポや場面変化に応じたフィードバックによる映像体験への能動的な参加環境の実現、そして配信者がチップやコメントに応じたインタラクションルールを設定できるツール(Lovense Cam Extension)を通じた視聴者と配信者の双方向コミュニケーション促進などが挙げられます。ユーザー事例
東京都在住の25歳、佐藤健太さん(仮名)は、推しているVTuberの配信を毎日視聴し、これまでのスパチャ(投げ銭)総額は30万円を超えます。「画面の向こうから『おかえり』と言ってくれるだけで、その日の疲れが少し軽くなるんです。精神的な支えになっています」と語っています。社会的背景とLovenseの展望
メタバースや全身型触覚スーツの普及を待たずとも、既存のゲーム、映像、VR、ライブ配信といったコンテンツ環境において、バーチャル体験に身体感覚を参加させることは技術的に可能な段階に来ています。Lovenseは、人々の感情がバーチャルな世界へと向かっている社会変化を踏まえ、インタラクティブエンターテインメント体験のさらなる進化に貢献していく方針です。会社概要
社名: Lovense事業内容: インタラクティブエンターテインメントテクノロジーの開発・提供
主要サービス: Lovense Remote App、Lovense Cam Extension