
JAK阻害薬を用いた関節リウマチ治療において、腎機能や予後不良因子に基づいた減量投与の有用性が明らかになりました。
研究の背景と目的
関節リウマチは関節の炎症や破壊を伴う慢性疾患であり、近年は高い治療効果を持つJAK阻害薬が広く用いられています。高齢者や合併症を持つ患者に対しては安全性への配慮から減量投与が行われることもありますが、その適応についてはこれまで十分に解明されていませんでした。近畿大学病院を中心とする研究グループは、関西の多施設共同レジストリであるANSWERコホートのデータを用い、JAK阻害薬の標準用量と減量用量における24カ月間の治療継続率を比較・解析しました。
個別化治療に向けた研究成果
2013年から2025年までにJAK阻害薬の治療を開始した患者1,135例を対象とした解析の結果、腎機能が保たれている患者では、減量用量であっても標準用量と同等の治療継続率と疾患活動性の改善が得られることが確認されました。一方で、予後不良因子を多く有する患者については、標準用量の方が治療継続性に優れる可能性が示されています。本研究成果は、患者一人ひとりの腎機能や疾患背景に応じた適切な薬剤投与量を判断するうえで、実臨床における重要な指標となります。
なお、本研究成果は2026年4月28日に医学系学術雑誌「Annals of the Rheumatic Diseases」誌のオンライン版に掲載されました。
まとめ
本研究は、関節リウマチ患者の背景因子を考慮したJAK阻害薬の個別化投与戦略を提示するものであり、今後の治療最適化に貢献する知見です。
関連リンク
https://doi.org/10.1016/j.ard.2026.03.029
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1543-nozaki-yuji.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1694-shiga-toshihiko.html
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1778-li-shinkai.html