中国で著名な陶芸家 陸 金喜氏による作品「天目茶碗」の販売・教育普及事業を開始

NCL株式会社は、中国で著名な陶芸家 陸 金喜氏による作品「天目茶碗」の販売・教育普及活動を行う事業『NOVA+天目茶碗』を2023年10月1日より開始し、同日よりオンラインストアをオープンします。今後、日本国内で広く「天目茶碗」の魅力と歴史を伝え、日本の陶芸家とのコラボレーションや技術討論会の開催、陸氏の展示会を国内で開催することを目標としています。

抹茶茶碗の一種「天目茶碗」の歴史と伝統

「天目茶碗」は抹茶茶碗の一種で、鎌倉時代に中国の禅寺天目山に学んだ僧侶が帰国した際に持ち帰った「黒釉(こくゆう)」のかかった茶碗を日本で「天目」と呼んだことが始まりとされ、のちにこの形の陶器を「天目茶碗」と呼ぶようになりました。
「天目茶碗」は、低く小さな輪高台(わこうだい)と、すり鉢形で、口縁にスッポン口といわれるくびれのある形状(天目形)が特徴で、後に白色の「白釉(はくゆう)」も誕生しました。

「天目茶碗」の歴史は、中国の建窯(福建省建陽県)で焼造された「建盞(けんさん)」と言われ、五代末期(10世紀中葉)、考古学的発掘調査では北宋(ほくそう)末期(12世紀初頭)頃が始まりとされています。
「建盞」は日本でとくに珍重され、なかでも黒釉陶の至芸「曜変(ようへん)天目」が有名で、そのほかにも「油滴(ゆてき)天目」「禾目(のぎめ)天目」「灰被(はいかつぎ)天目」など多くの種類が存在します。

至芸「曜変天目茶碗」

「天目茶碗」の中でも最も貴重で高価なものが至高の芸術品「曜変天目(ようへんてんもく)」です。
茶碗の上からのぞき込むと、漆黒の空間の中に瑠璃色の宇宙が広がり、そこに釉薬(ゆうやく)が破裂してできる「星紋」と呼ばれる星のような斑紋が見え、その模様の周りが群青や紫に光り輝く光彩があります。
「器の中に宇宙が見える」といわれるほど美しい作品で、日本では室町時代から中国産茶碗の中でも最高峰とされており、現在では大変貴重な作品で収蔵品としも価値の高い作品です。

「曜変天目」は、窯の中で釉薬が変化する現象の「窯変(ようへん)」という言葉が由来とされ、その模様が宇宙のようにきらびやかに光り輝く姿から、輝きを意味する「曜」という字を当てて「曜変天目」と呼ばれるようになりました。

陶芸家 陸 金喜(ルー・ジンシー)氏 プロフィール





中国初の曜変天目技術の復元者。
曜変焼技術無形文化遺産プロジェクトの代表継承者。
国務院(中国の最高行政機関)から特別政府手当を享受。
第8回福建省最優秀職、皇室の茶器の修復者、上級美術工芸家、景徳鎮陶磁大学教授、第6回シルクロード国際映画祭公式式典デザイナー、景徳鎮陶磁大学陶磁器文化高等研究所研究員、ユネスコ無形文化遺産継承功労賞受賞者、福建省美術工芸マスター、福建省収集家協会名誉会長、その他多数の職を歴任。著名なセラミック専門学術誌「Acta Ceramica Sinica」に学術論文を発表。

販売作品一例

作品名 : 曜変天目茶碗
価格  : 220万円(税込)
サイズ : 幅13.6cm、高さ8cm
オンラインストアURL: https://novaplus.jp/products/

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