
JMDCと住友生命が、歩数増加と健診結果・入院回数・医療費の関係性を分析した「健康増進白書」を公表しました。
概要
JMDCと住友生命は、歩数増加と健診結果、入院回数、医療費の関係性を分析した「健康増進白書」を公表しました。この白書は、JMDCの医療ビッグデータと両社の解析力を組み合わせ、健康増進に資するエビデンスを提供することを目的としています。
調査概要:両社の解析力を組み合わせた健康増進白書の公表
分析対象:歩数増加群(1日の平均歩数が1,000歩以上増加)と歩数非増加群
分析内容:健診値、入院回数、医療費の3つの視点から比較分析
健診値分析対象者数:約18万人
入院回数・医療費分析対象者数:約8万人
※本白書における群間比較は、いずれも性別および年齢の影響を調整したうえで実施しています。
全編参照URL:https://www.jmdc.co.jp/terms/steps_white_paper_202605.pdf
歩数増加がもたらす健康効果
「健康増進白書」によると、1日の平均歩数が1,000歩以上増加したグループ(歩数増加群)では、歩数が増加しなかったグループ(歩数非増加群)と比較して、健診値の改善、入院回数の低下、医療費水準の低下といった傾向が観察されました。特に、がん・心筋梗塞・脳卒中の3大疾病に限定した場合、平均入院回数および平均入院医療費の差が顕著であることが示されています。
全体の傾向として、約1年間の経過に伴い、BMI、血圧、血糖値などの主要な健診項目の平均値は概ね悪化する傾向が認められましたが、歩数増加群ではBMI、血圧、血糖値、LDLコレステロールなどで改善傾向が見られました。例えば、BMIの1年後の平均変化量は、歩数非増加群が+0.136であったのに対し、歩数増加群では-0.035と低下方向となり、健診値改善者割合も歩数増加群の方が高い結果となりました。これは、日常生活における歩数の増加が、生活習慣病リスクに関連する健診値の推移と一定の関連性を持つ可能性を示唆しています。
入院回数に関しては、歩数増加群では平均入院回数が低い傾向がみられ、3大疾病に限定すると、歩数増加群は歩数非増加群と比較して平均入院回数が43.2%少ない傾向が認められました。同様に、平均入院医療費についても、歩数増加群は歩数非増加群と比較して平均医療費が42.6%少ない傾向が示されています。ただし、入院1回あたりの平均入院医療費には両群間で大きな差異は認められず、入院頻度の差異が入院医療費全体の差として表れている構造である可能性が指摘されています。
健康増進への提言と今後の展開
本白書の分析結果は、1日の平均歩数が1,000歩以上増加することが、健診値の改善、および3大疾病における入院回数・入院医療費の低減と関連する可能性を、大規模なリアルワールドデータによって多角的に示しました。これらの結果は因果関係を直接示すものではありませんが、保険者、企業、自治体による予防・健康づくりの取り組みを設計する上で有用なエビデンスとなりうると考えられます。
白書では、生活習慣病の前段階にある層への重点介入、3大疾病リスクの高い層への重点的な働きかけ、歩数増加施策のさらなる普及の3点を提言しています。今後もJMDCは、国内最大級の医療ビッグデータを活用した調査を通じて、持続可能なヘルスケアシステムの実現と「データの社会実装」に資する取り組みを推進していく方針です。
まとめ
JMDCと住友生命が公表した「健康増進白書」は、歩数増加が健診値の改善、入院回数や医療費の低下と関連することを示すエビデンスを提供し、健康増進施策の重要性を裏付けています。