複雑なデジタル・インフラが招く年間100万ユーロの損失とAI導入の停滞

Coltテクノロジーサービスが実施した調査により、企業が抱えるデジタル・インフラの複雑性が、年間約100万ユーロの成長機会を損ない、AI導入の障壁となっていることが明らかになりました。

企業成長を阻害するデジタル・インフラの複雑性

グローバル・デジタル・インフラストラクチャ企業であるColtテクノロジーサービスが公開したレポート『The Cost of Complexity(複雑性のコスト)』では、大企業が直面するインフラの複雑性が財務やイノベーションに与える深刻な影響が報告されました。調査対象は英国、フランス、ドイツ、オランダ、日本の大企業600社のシニアリーダーです。※本調査に於ける「デジタル・インフラ」は、「ネットワーク、及びネットワーク・セキュリティ、ユニファイドコミュニケーション、クラウド・プラットフォーム」を指します。

調査概要:
実施時期:2026年2〜3月
対象:英国、フランス、ドイツ、オランダ、日本の企業600社のCEO、CIO、CTO、IT部門責任者
平均従業員数:26,055人

AI導入と財務への多大な影響

調査の結果、回答者の60%が「デジタル・インフラの複雑性がAIの大規模な活用を阻害している」と回答しました。また、複雑なインフラに起因する事業遅延により、過去12カ月で平均約40万1,400ユーロ(約7425万9000円)の価値が失われたと推定されています。さらに、停滞したイノベーション施策による機会損失は年間平均50万8,000ユーロ(約9398万円)にのぼります。※本数値は、複雑なデジタル・インフラによる遅延を原因とした企業の年間推定損失額の平均値です。※1ユーロ=185円換算で約1億8500万円。

日本企業が直面する特有の課題

日本企業は特に高い複雑性に直面しており、基幹システムは平均18ものベンダーやプラットフォームにまたがっています。これは調査対象国の中で最も高い水準であり、複数ベンダーの管理やレガシーシステムの運用が主な要因です。また、エージェント型AIのような新興技術導入の遅延については、日本企業の100%が複雑性が原因であると回答しました。この状況は、経済産業省が2018年9月に発表したDXレポートに記載されている「2025年の崖」問題の解決策と一致する課題を示唆しています。

まとめ

デジタル・インフラの複雑性は、企業の財務パフォーマンスやAI活用、イノベーション推進を阻害する大きな要因となっています。継続的なインフラの簡素化とモダナイゼーションの推進が、今後の成長に向けた重要な鍵となります。

関連リンク

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/20180907_01.pdf

https://www.meti.go.jp/english/press/2025/0528_001.html

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