ビタミンK誘導体による神経細胞の再生可能性 – 芝浦工業大学の研究

芝浦工業大学の廣田佳久准教授と須原義智教授が、神経前駆細胞を神経細胞へ分化を促す新たなビタミンK誘導体を開発しました。

新型ビタミンK: 神経細胞への分化を促進

この新しいビタミンK誘導体は、ビタミンKの側鎖構造に神経分化を促進することで知られるビタミンAの活性代謝物「レチノイン酸」の構造を組み込んだハイブリット型誘導体です。この結果、誘導体は血液脳関門を通過し、天然のビタミンKに比べて神経前駆細胞を神経細胞へと分化させる能力が顕著で、さらに時間の経過とともにビタミンK2(MK-4)に変換されることが確認されました。

期待される治療への応用と影響

新しいビタミンK誘導体は、アルツハイマー病等の神経変性疾患に対する再生医療への応用が期待され、長時間にわたって脳神経細胞に対する効果が継続します。これは、神経細胞を失った脳の機能を回復させる可能性を示しています。

詳細研究情報

詳細な研究内容は、「ACS Chemical Neuroscience」にて公開されています。(https://doi.org/10.1021/acschemneuro.5c00111)

芝浦工業大学について

芝浦工業大学は、東京都(豊洲)と埼玉県(大宮)の2つのキャンパスを持つ大学で、理工系大学としては日本屈指の学生海外派遣数を誇ります。独自の教育体制で新しい理工学教育のあり方を追求し、創立100周年を迎える2027年にはアジアの工科系大学トップ10を目指しています。(https://www.shibaura-it.ac.jp/)

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